【マリアージュとは?】ワインと料理の組み合わせの法則。

こんばんは。ソムリエのサカナです。

私サカナが個人的にですが、ワインを飲む上で1番楽しいと感じるポイントが「マリアージュ」🍷

すなわち、「ワインと料理の組み合わせ」です!

マリアージュはフランス語で「結婚」を意味する言葉ですが、まさにワインと料理が結婚するかの如く、両者が寄り添うことで1+1=3にも4にもなるような相乗効果を得られるのです。

ワイン単体でも美味しいですし、料理単体でも美味しいのですが、それを組み合わせることで単体の美味しさを遥かに超える美味しさを体感できるのです!これはぜひ知っておきたい内容ですね🐟✨

味覚の相互作用

おそらく皆さん小学校や中学校の家庭科の授業で習ったかと思いますが、人間の持つ味覚には、

五味」

と呼ばれる5つの味覚があります。

「甘味、酸味、塩味、苦味、旨味」の5つです。「渋味、辛味」は触覚に分類される口中の刺激なので、厳密に言えば味覚ではありません。

【味覚センサーの仕組み(1)】おいしさと味覚について | 味博士の研究所 (aissy.co.jp)

そして、同じく味覚を勉強する際に習ったかもしれませんが、味覚には「相互作用」と呼ばれる、味覚同士の要素の組み合わせによって、人間の感じ方が変化するという特性があります。

対比効果】(甘味+塩味)(旨味+塩味)
…2種類以上の違った味を混ぜ合わせた時に、どちらか1つあるいは両方の味が強く感じる現象の事を言います。一般にはどちらか1つの味が強く、それに対して他方の味が弱いときに起こりやすい現象です。

例としては…
・塩キャラメルや塩バニラ、スイカに塩をかけるなど
→「塩味」が「甘味」を引き立てて、甘さを強く感じます。
・出汁に味噌を溶いて、味噌汁をつくる
→「旨味」単体では感じにくいですが、味噌の「塩味」が加わることで、出汁の旨味をより一層感じやすくなります。

【抑制効果】(苦味+甘味)(酸味+甘味)(酸味+塩味)
…2種類以上の違った味を混ぜ合わせた時に、どちらか1つあるいは両方の味が弱められる現象をいいます。両方の味の刺激が対等な時に起こりやすい現象です。

例としては…
・コーヒーに砂糖を入れる
→「苦味」に「甘味」を足すことで、苦味が和らげられますよね。
・ハチミツレモンをつくる
→「酸味」に「甘味」を足すことで、酸味がまろやかになり美味しく食べられます。
・魚の塩焼きにレモンを絞る
→「塩味」に「酸味」を足すことで、塩辛さを和らげてさっぱり食べられます。

【相乗効果】(旨味+旨味)
…これが一番代表的でしょうかね。同じ系統の味を持つ2つ以上のものを混ぜた時、より一層その味が強調される現象の事。

例としては…
・カツオ出汁と昆布出汁を合わせる
→昆布のグルタミン酸と鰹節のイノシン酸の2種類の「旨味」を合わせることで、旨味がより増して、美味しく感じます。

ワインのマリアージュに関してもこの「味覚の相互作用」を有効に用いて、「料理+ワイン」の組み合わせを考えていきます。
主に用いるのが、「対比効果」と「抑制効果」ですが、マリアージュを理論的につくるべく「五味を用いたマリアージュ」を解説していきます。

ワインの味わいの構成要素

それではここで、「ワインとは、どのような味わいの構成をもった飲み物なのか」今一度考えてみましょう。

ワインを主に構成しているものは「甘味・酸味」ですね。
ここに「アルコール」がボリューム感を与えるものさしとなり、「タンニン」が収斂性(≒渋み)として、「口中の触覚」に影響を与えます。

ワインに塩味や旨味を感じることももちろんあるのですが、ここは未だ科学的にはハッキリと解明されていない部分で、塩味はミネラル感に、旨味は酵母の出すアミノ酸に由来している部分かも…ぐらいの要素なので、一旦補助程度に考えてもいいかもしれません。(サカナ的には、ミネラル感と旨味はワインにおいても大事な要素なのですが!)

マリアージュの実例

ワインの味わいを踏まえて、味覚の相互作用を具体的な実例に当てはめてみましょう。


サカナが思うに、皆さんにとって恐らく一番わかりやすいのが、
「ブルーチーズ+貴腐ワイン」
の組み合わせです。

「いきなり貴腐ワインかよ!」と思われる方も多いと思いますが、どうどう!!
味覚の「対比効果」を最大限活用した間違いないマリアージュがこの組み合わせなんです!
「塩味+甘味」の引き立て合いを是非体感してみてください。納得の結果であると、サカナは保証をします。

マリアージュの基本的な合わせ方

ワインと料理をただ組み合わせて食事をすれば勝手にマリアージュが完成するかと言えばそうではありません。

大事なポイントを一つ挙げるとすれば、「口に運ぶ量とワインを飲む量を合わせる」

その他にも下記のように様々なコツがあります。

  1. 料理とワインの味の濃さを合わせる。
  2. 料理とワインの色味を合わせる。
  3. 風味(フレーバー)のマリアージュ
  4. 泡は万能!だが、ここでも味わいの濃さを合わせること。

サカナの著書「ワイン飲むなら、とりあえずコレだけ読んどけば?」でさらに詳しく解説しておりますので、ぜひワインを美味しく楽しむコツを習得してみてください🍷🍳✨

それではまた次回をお楽しみに~🐟🍷


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