【山幸 Yamasachi】祝!国際ぶどう・ぶどう酒機構2020年品種登録達成!

こんばんは。ソムリエのサカナです。

まずは昨年の暮れ、コロナ禍で良いニュースがなかなか無かったときに舞い込んだ嬉しいニュース。

O.I.V.への【山幸】登録認定!おめでとうございます!

2020年にO.I.V.(国際ぶどう・ぶどう酒機構)で、認定された日本を代表する3番目のぶどう『山幸』を飲んでおかねば!とのことで、北海道池田町ブドウ・ブドウ酒研究所が十勝ワインの名で造る『山幸 2017』をいただきました。

2010年に1番目【甲州】、ついで2013年に【マスカット・ベーリーA】が登録を果たしてからの3番目になります。2018年に北海道は【GI(地理的表示保護)】にも認定されているので、日本ワイン界の中でも、益々期待の高まる注目産地になっていますね。

2020年12月に通称「ワイン城」で知られる池田町ブドウ・ぶどう酒研究所にて行われたプレス発表の模様がYouTubeでも見れますが、北海道という厳しい寒さを乗り越えるだけの耐寒性・耐凍性を持ち、ワイン醸造して美味しいものを生み出す途方もない努力の末に辿り着いた『山幸』であることがよくわかりました。

出典:ワイン城観光/TOKACHI WINE Since 1963 池田町ブドウ・ブドウ酒研究所 (tokachi-wine.com)

日本に自生する『ヤマブドウ』にこそ、北海道の冬を乗り越える強さがあると見出し、野生種のため、なかなか安定した完全花からの花粉採取に苦労し、さらには1交配につき結果が見えてくるのが10年後というのですから…途方もないですね。まさに地域に根付く農業従事者への愛の貢献。

そして『山幸』が出来てからも醸造品質の観点から最初に瓶詰めされた280本がセラーの中に保管されており、毎年その状態をチェックしているとのこと。

北海道ワイン、東北の極寒ワイン産地に、国際品種として誇りを持てる葡萄を生み出したいという熱い情熱が、この長きにわたる研究を成果に変えたと、まさに圧巻の所業です。

山幸(Yamasachi)は1978年に開発に着手、フレンチハイブリットのセイベル13053を(耐寒性や収量性を目的に)クローン選抜した品種の「清見」に在来種である「山ブドウ」を掛け合わせたブドウの中から更に選抜した醸造用赤品種です。耐寒性・耐凍性に優れ、冬期間の枯死防止のために対策を講じる必要がなく、栽培農家の労力を軽減できる有望な品種。

「山幸(Yamasachi)」OIV品種登録WEBプレス発表について/TOKACHI WINE Since 1963 池田町ブドウ・ブドウ酒研究所 (tokachi-wine.com)

OIV…国際ブドウ・ワイン機構(Organisation Internationale de la Vigne et du vin)。フランスに拠点を置く、ブドウ栽培や品種、ワイン造りの研究機関です。EU委員会規則によるとEU域外で生産されたワインのラベルにブドウ品種を表示する場合には、ブドウ品種の表示に関する生産国の規則に従っていること及びブドウ品種がOIVなどの国際機関のリストに記載されていることが必要とされています。未登録の場合「山幸(Yamasachi)」で造ったワインであっても、EUで販売する場合は「日本産赤ワイン」という表記になり、品種名を名乗ることができません。

「山幸(Yamasachi)」OIV品種登録WEBプレス発表について/TOKACHI WINE Since 1963 池田町ブドウ・ブドウ酒研究所 (tokachi-wine.com)

🍷テイスティングコメントMemo📝
(※個人的な感想です)

中庸よりやや濃いめの色調。ルビーレッド、やや縁がオレンジがかっている。チェリー、ラズベリー、梅、ザクロなど赤系果実主体の酸味とアロマ。スワリングするとほのかになめし革。温度が上がってくると少し土っぽい野生味を感じる。口に含むと溌剌としたフルーティーな酸味がストレートに感じられ、旨味の余韻が残る。タンニンは弱く、舌の上には少しじんわりある程度。フルーティーな酸味主体の味わいの中に溶け込む野性味が独特のフレーバーを奏でる。ボディはミディアムより少し軽め。

日本を代表する3番目の国際品種登録を果たした『山幸』に、バターと赤ワインでコクをプラスした親子丼を合わせて…優勝🏅

それではまた次回をお楽しみに~🐟🍷


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