【北海道ワイン】希少葡萄品種「旅路」を深掘りしてみる。

こんばんは。ソムリエのサカナです。

GWの初日29日に「第26回 北を拓く 道産ワインの夕べ」という北海道ワイナリー14社が集ってお話を聞けるオンラインセミナーが開催されまして、サカナも北海道ワインについて勉強させていただきました。

日本ワインにドハマり中のサカナがその中で一番気になった葡萄品種が、

旅路🍇

という生食兼用葡萄品種です。

今回は「The 7th “SAKURA” Japan Women’s Wine Awards(サクラアワード2020)」という日本の女性ソムリエたちが行うワインコンペにて見事「特別賞グランプリ(ベスト国産ワイン賞)」を2018年ヴィンテージで受賞した北海道ワイン株式会社の「北海道限定 旅路」を飲みながら情報をまとめていきたいと思います。(サカナは2019年を飲んでます🐟🍷)

葡萄品種「旅路」とは?

「旅路」は、もともと北海道小樽市の塩谷(しおや)というエリアに自生していた、生食用のブドウ。かつてから地名をとって「紅塩谷」と呼ばれていたそうで、今でも地元では「紅塩谷」という呼び名の方が往々にして使われているとのこと。

ではその「紅塩谷」は、なぜ「旅路」と呼ばれるようになったのでしょうか。

1967年〜68年に放送されたNHK朝の連続テレビ小説「旅路」に由来します。最高視聴率は57%にもおよび、一世を風靡した朝ドラだったようです。物語の舞台は「小樽」。このドラマの人気にあやかって「旅路」と呼ばれるようになったのだそうです。知名度アップを狙いに行ったわけですね!

ちなみに本作「旅路」は朝ドラ最後の白黒放送だったみたいです📺

画像引用:asadora07_p.jpg (700×384) (nhk.or.jp)

「旅路」の特徴

引用:北海道でできる「ぶどう」の品種紹介 | 北海道果樹協会 (hokkaido-kajyu.net)

いわゆるグリ系の果皮がピンク色になる、もともとは生食用品種。生食用で食べられるものは種なし葡萄として食べられているみたいです。果皮にはグーズベリー状の特徴的なしま模様があります。

粒は大き目、すっきりした甘さで独特の風味があります。余市と仁木でしか栽培されていないので希少価値が高く、人気の商品です。現在、小樽や余市、仁木のワインメーカーさんたちがこぞって注目している土着品種です。

北照ワインプロジェクト

リンク先Fbページに生徒さんたちの活動が乗っています☞(1) 北照ワインプロジェクト | Facebook

2017年より北海道ワイン株式会社等全面協力のもと北照高校の生徒さんたちが「北照ワイン(旅路)プロジェクト」という「旅路」をいつしか忘れ去られてしまった原産地「小樽」に復活させるプロジェクトを開始。加えて北照高校の生徒さんたちがプロジェクト活動を通して、6次産業を行いながら「働くこと」を学び、地元(地域)に貢献できる人材の育成を目指すという内容です。

2019年10月8日付の朝日新聞デジタルの記事によると、現在「旅路」は140本植樹され、順調に育ちました。スズメバチの発生などのトラブルに見舞われながらも、2020年9月に初の収穫をむかえ、収穫をした「旅路」も含め北海道ワイン株式会社の工場にて、ワイン醸造に向けて仕込みが始まりました。

資金調達のための2度のクラウドファンディングにも成功し、無事2回目のクラウドファンディングの返礼品として現在随時発送を行っているようです。

高校生のころからこんな貴重な体験ができるなんて、なんとも羨ましい…まだ未成年だからワインの味わいはわからないとしても、このように子供のころから「ワイン」という存在に触れ、親しみを覚えることは将来ワインというものに手を伸ばしやすくなるはずです。素晴らしい取り組み!!

「北海道限定 旅路 2019」テイスティングノート

北海道ワイン株式会社の造る小樽原産希少品種『旅路』のオレンジ。ファーストアタックから火薬っぽい香ばしい香りが上がり(おそらく還元香)、杏、アプリコットが混じる。ちりめんじゃこを生姜と胡麻油で炒めたときの匂いにも似てる。

スワリングして、温度も少し上がってくると黄プラム、青梅、ピンクグレープフルーツ、リンゴジャムの甘いアロマ。口に含むと香りの印象とは、ギャップのある清涼感と酸味、ドライさ。食用葡萄由来のジャミーなねっとり感のテクスチャーと、タンニンの収斂性も口中にしっかりと感じる。アロマの豊かさと味わいのスッキリさのギャップに驚くが、伸びのあるレトロネーザル(鼻に抜ける飲み込んだ後の風味)を長く楽しめる。日本の品種のバリエーションに驚かされる。ただやっぱり絵の具やペンキっぽいフェノレの匂いが少し気になる…

美しいオレンジピンクの外観🍷

小売希望価格1400円(税抜)のお手軽価格ですが、「北海道限定」のため正規ルートでは買えず。ようやく探しあてて所謂「せどり」価格で買いました。しゃーなし!!北海道に行きたーい!!

今流行りの「オレンジワイン」のスタイルでした。これは白ワイン用の葡萄を赤ワインのように「果皮を漬け込んだ状態で発酵させる”醸し”」を行って造るワインのスタイルです。果皮から抽出される成分が含まれるため、通常の白ワインに比べて、より芳醇・濃厚なワインに仕上がります。「北海道限定 旅路」は少しワイン玄人好みの味わい。美味しくいただきました~🍷

ワインの造り方に関しては、サカナが出版している『ワイン飲むなら、とりあえずコレだけ読んどけば?』にわかりやすくまとめておりますので、ぜひ読んでみてください📚🐟🍷

それではまた次回をお楽しみに~🐟🍷


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